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8.18

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Policy Determined Discussion 2008年度 後期全国タイトル


8.11


All Japan Students’ Assembly 2008 結果と総評


甲1の結果と総評 

廣重(東大4)、増渕(明治4)、赤嶺(早稲田4)

■結果(敬称略)

1位 林(明治3)

2位 西澤(東大2)

3位 宮城(早稲田3)

4位 森田(明治3)

5位 阪本(上智3)

6位 松井(法市3)

7位 竹田(青学3)

8位 福田(日大3) 

上記の順位は、議論の深化および進捗への貢献度を一元的に評価したものである。以下に簡単な注釈を付す。 

1位と2位

発言量において林さんと西澤さんが群を抜いていた。発言量が評価のすべてではないが、議論への貢献という点において他者には積極性がかけていた印象である。林さんと西澤さんの序列に関しては、林さんのConfirmationにおける無駄のなさと(比較的な)浸透率の高さを勘案して定めた。 

3位

Confirmationによって議論に貢献しようとする姿勢が見られ、一定の成果を挙げた。ただしその頻度と浸透度は高くなく、貢献は限定的だと言わざるを得ない。自分の得意な面において役割を見つけ切れなかった点が悔やまれる。 

4位

広い視点を意識して議論の混乱をとこうとする姿勢が見られ、その点は評価に値する。ただしその過程で林さんやその他の参加者の手助けを必要とした感が否めない。 

5位

西澤さんの発言を細切れにすることで理解しようと努め、テーブルに提言する姿勢は評価に値する。ただしその姿勢が必ずしも実際の理解に結びつかず、なにより発言量の少なさから貢献は限定的であった。 

6位

序盤の発言量の少なさは言うまでもないが、後半時間がないなかで、既存の議論の収束よりも自らの意見の立論を選んだ点は議論への貢献とは言いがたいと判断した。 

7位

いくつかの中心的な話題に対する姿勢から判断して、立案者としての自らの主張に対する責任感が薄いと判断した。Opinion Presenterとして、すべての議論に自分なりの収束点を見つけ提示すべきではないか。 

8位

甲テーブルに進出した時点で満足させてしまうことは運営側の課題である。議論への貢献として判断できるものはなかった。 

■総評

 今期はASQに時間をかけるあまりPLANに進まないという声が聞かれたが、本テーブルも例外ではなかった。Narrowingにおける政策採否の基準に関する議論や、SeriousnessにおけるQLの表記の仕方など、ディスカッションの「内容」よりも「形式」に目が行ったような議論が目立つのは、PDD従事者全体のアイデアの量が乏しくその結果半年間の継続的議論に意義を見出し続けられないからだ、と評されてもやむをえないであろう。形式論にも確固たる道理があるのは間違いないが、それが「日本政府」や「死刑囚」といったリアルなキャラクターをイメージさせるものでなければ、特定のトピックのもとで議論する意味を失う。

 この観点でいえば、林さんの「Directionにおいては、CriminalVictimに序列を設けるべきだ」という主張は、日本政府という包括的な機関が持つべき複合的視点を取り入れようとする点で評価できる。同様に、西澤さんによるいくつかの指摘も、PDDという仮想的なゲームをいかに実際的で、「日本政府として考える」という状況設定に忠実にあろうとする姿勢の表れとして評価したい

 議論におけるいかなる判断も、その主体の立場、状況、思想から総合的にかつ一元的に決まるべきであると考えるので、PDD従事者として「いかに日本政府の視点を想定するか」「政府の裁量とはどのようなものか」という点を考え続けることは、アイデアの質や量、議論進行の無駄のなさを追及する上で不可欠だと考えている。

文責 東京大学4年 廣重裕太朗






ジャッジ 川上 瓶子 中里

一位 山口  
どんな話でも最終的にまとめられた発言ができていて、発言の内容も理解しやすいものであった。オピメとしてのレベルの高さがうかがえた。 
二位 じま  
発言の一つ一つが的確なものが多く、どんな話をすべきなのかという点をしっかりおさえていた。ディス前半に介入できなかったのが残念。 
三位 三橋 
どんな話にも積極的に発言して話を進めていた。カンファメがただのカンファメで終わってしまいその先へのつながりがないものが多かった。 
四位 小山 
話を終わらせるためのコンクルカンファメを一番意識できていた。しかし積極的な姿勢が話によって無くなることがあった。 
五位 町田 
自分の話したいことの最低限をしっかり発言できていた。チャートもわかりやすいものだった。 
六位 吉田 
英語力の高さがうかがえた。それだけに、立てようとしていたストラテの説明に時間がかかってしまったのが残念。 
七位 和多田 
カンファメをすることで話を進めようという意識が感じられた。しかしたまに伝わらないこともあった。

八位 浦木  
ストラテをなんとしても立てようという姿勢がよかったが、最終的に自分で話を進められていなかった。

 甲テーブルとは思えないほど雰囲気の良く、皆が協力しあい建設的な議論をしようという強い意志が感じられるテーブルでした。たった一人しかファイナリストになれないアッセンという大会の特性に縛られることなく、それぞれが自分の役割を果たそうと努力していた点に大変好感を持てました。

 前半から様々なストラテジーが展開され各自のやりたいことの明確さが感じられると同時に、それらの処理の的確さやスピードはさすがの甲テーブルだったと思います。しかしながら、時折個人の先入観が混じったストラテジーが提示され、その内容をテーブル全員が理解するために時間を割く傾向が見られた点は勿体なかったです。ある一つの言葉のディフィニションの説明の中にさらにまたVague WordがありQが出るなど、相手の理解してもらいやすい言葉選びに課題が残りますが、事前の準備段階での工夫により改善できると思います。また、ミクロな議論になった際にマクロな視点を忘れないよう心がければ、より早く議論の核をつくことができ、より深い議論が可能となるでしょう。また、Compromise” という言葉がよく聞かれ、お互いを気遣う姿勢は大変評価できるものでしたが、単に妥協点を提示しあうのではなく、なぜその妥協点が議論を進める上で最適なのかという論理的説明や理由づけをもう少し行うことができれば、より良いディスカッションになると思います。

 最後に、甲2テーブルであった人は全員「スキル」と「相手への心遣い」の両方の点において大変優れていました。アッセンでの経験を生かし、引退までにさらに後輩や同輩にディスカッションの魅力を伝えていく第一人者として活躍していってほしいと思います。




<テーブル感想>

皆、緊張感を持ちながら、ディスカッションに取り組んでいるように思えたが、話についていくのが精一杯な人と進行に貢献する人がはっきり分かれたテーブルだった。

内容は、死刑についての明確なゴールや各々の結論にたどり着くために、ナローから斬新なコンパリのストラテを張るなど、各々がプレパの成果を存分に出そうとしていたことに好感が持てた。しかもそれがオピニオンを切るためではなく、立てるために洗練されており、それを軸にテーブル全体でBetter situationに向かう議論ができていたことは素晴らしかった。そして、議論が複雑になったとき、各々のスキル・強みを十分に発揮し、テーブルを動かそうとしており、ディスカッション全体をみたマクロレヴェルでのサジェスチョンはさすが甲テーブルであると感じました。ですが、コンセが数人でのコンセになっている部分もあり、自分の理解のためのカンファメが、他のパンツの理解を促す役割にもなっており、ミクロレヴェルで議論がいったりきたりしてしまっているところがあったのは残念だった。また、タイムマネージメントにもまだまだ改善点が多くあった。コンクルージョンへの道筋じたいは明確ではあったが、3時間という枠組みの中で、いかにコンクルージョンを得るかという全体をみた議論と自分の話がしたいという議論のバランスが悪く、今後の課題であると思った。 

<個々へのコメント> 

三澤序盤はハンドリングにおいて木村さんのサポートにまわることが多く、存在感を十分に発揮できてはいなかった部分もあったが、後半議論が進んでいくうちに、コンセの確認や、マクロレヴェルでのサジェスチョンは他のパンツの追随を許さず、また、議論の要点をつかむまでが人一倍早かった。また、議論が停滞した際には、誰よりも自分のスタンスが明確で、かつ皆を巻き込む求心力があったと思います。 

木村オピメとして迅速かつ適確なハンドリングを見せてくれました。木村さんのお陰で議論がスムーズに進んだ場面も多々あったと思います。しかしながら、全体を通して、プロシージャーに対して説明不足な点があり、その点でスムーズにコンセが取れない部分があったように思います。また、後半は視野がせまくなってしまい、発言の浸透率悪く、存在感が薄れてしまったことは残念でした。これからはミクロでのうまさだけではなく、三澤のようなディスカッションを通したメッセージ性を持つマクロレヴェルでのハンドリングを完成させてもらいたいと思います。 

佐藤自分のしたいことに忠実にディスカッションができていました。いい意味で空気を読まないマイペースさは大きな強みで、カンファメじたいは自分のためにという感は否めませんが、そのカンファメの後に何とかしてテーブルを動かそうとしていたと思います。また、最も評価された点として、3時間内でコンクルを得るためにどうすればよいかの選択がうまくできたように思います。コンパリ以外にもコンクルはあることから、うまく方向転換しようとしていたのは将来性を感じました。これからもどんな場面においてもそのマイペースさを忘れずに、かつこれからはそのペースに皆を巻き込めるディスカッサントになってほしいと思います。 

深井プレパの成果を出そうと序盤から積極的にテーブルに入っていました。実際に彼のアイディアを軸に議論が進んでいた場面もあったので、その点皆を巻き込めるディスができていたのだと思います。しかしながら、たまに不要だと思えるカンファメがあったり、プレゼンが焦ってしまっていたりして、テーブルを停滞させる原因を作ってしまっていたように思えたのが残念でした。これからは、自分がいるテーブルのほかのパンツの気持ちになってディスができるようになれば、飛躍的に成長していくのだろうと感じました。 

坂本随所でオピニオンの助けになるような情報を提示し、テーブルの理解度アップに貢献していました。しなしながら、そのどれもがサポート的な役割にしかならず、テーブルを巻き込むまでには至っていませんでした。また、その役割においても自分の知識や、ストラテを混ぜながら話しているように感じ、それがさらに議論の停滞を生んでしまったときがあったことが残念でした。結局、終始自分が何をしたいのかが曖昧に感じました。深井君との差は、スタンスの明確さだったと思います。 

大枝発言量が少なかったことは残念でしたが、そんな中でも議論を理解しようとしていた姿勢、ストラテを張ろうとしていたことは評価できます。1stテーブルの代表という意識がもう少しあればよかったのではないかと思います。今後、この甲テーブルをみたことをヒントに、どんなテーブルでも自分の役割が果たせるようになることを期待します。 

市川理解に務め介入しようとする姿勢はうかがえましたが、発言量が圧倒的に少なかったことが悔やまれます。大枝さん同様、今後、この甲テーブルをみたことをヒントに、どんなテーブルでも自分の役割が果たせるようになることを期待します。 

池田介入する意思が見られず、評価できませんでした。チーフという大学を代表する役職にあり、3年間で培ったものも多くあったと思うので、それを出してもらえればと思いました。







6.11

The 32nd All Japan Students' Assembly 東日本予選 結果 

甲テーブル  Division


1. Judge- 廣重(UT4)、増渕(明治4)、赤嶺(WESA4)

 Participants-林(明治3)、松井(法市3)、阪本(上智3)
         森田(明治3)、福田(日大3)、宮城(MESA3)
         西澤(UT2)、竹田(青学3)

                             Finalist   林(明治3)


2. Judge- 川上(上智4)、瓶子(東女4)、中里(MESA4)

  Participants-山口(上智3)、飯島(明治3)、三橋(東洋)
          浦木(UT3)、町田(法市3)、小山(明治3)
          吉田(上智2)、和多田(WESA2)

                             Finalist   山口(上智3)



3. Judge- 小林(法市4)、北村(UT4)、田河(成蹊4)

  Participants-三浦(法多摩3)、木村(上智3)、深井(青学3)
          池田(日大3)、大枝(明治3)、市川(明治3)
          佐藤(法市2)、坂本(UT2)

                             Finalist   三澤(法多摩3)


※ 関西結果
             宮下優一 (神戸大学3)
          林裕也  (神戸大学3)
          武部礼実 (大阪大学3
)



5.7

春の大セミナー P.D.D.総評


5th D+テーブル総評

担当:北村(東大)廣重(東大)小林(法市)

<北村>

1.テーブル内容について

ASQは申し分ないほどスムーズに進み、Confirmation, Question, Suggestionなど文句のつけようもなかったと思う。また、Cause areaでのStrategyなどもオリジナルなアイデアで、これからの展開に期待が持てた。ただ、Opinion PresenterTargetに関するTermの話でDeath Penaltyを行わなければreflectionがなされるかどうかなどのQuestionに対するAnswerPreparation不足に思わせる点もあった。

ただ、NFCからだんだんとディスカッサンとの限界が見られた気がして面白かった。NFCでの話はSQのProblemDeath PenaltyUniqueな問題かどうかが話し合われたが、どこまでConsensusが欲しいものなのかが明確ではなかったと判断した。まずNFCを本当に立てようと思っていたのか、つまり、他の方法でも100%のSolvencyがあるのかどうかを話し合いたかったのか。もしくは、100%未満であっても他の方法があることを確認できれば良かったのか?その意図が不明確だったと思った。さらに、結局、その議論が宙に浮いたまま終わってしまったのが残念だった。

次に、Direction, Mandateが終わり、Planに行く前にでてきたStrategyについて、CauseでのConsensusを勢いでとっていたところで、ほころびが出てきた気がした。実際に立ってActionを使ったり、チャートを何枚も使い丁寧に話を進めようとしたりするなど、話1つ1つのわかりやすさに優れている点が多くあったが全体としてまとめたときにそれが活かされていなかったように思えた。つまり、SQAPの差をしっかりとConsensusをとっていなかったばかりに周りが理解できず、終始その全体像の説明をしていた。また、周りもなぜ理解できないのかが分かるまでに相当な時間を要していた。また、1枚1枚のチャートの説明はわかっても、それをつなぐときの説明に対して、WarrantがあるのかよくわからずLogicalでないPresentationが行われていたように思えた。さらにQuestionに対してAnswerがピンポイントではなく、全体像の説明を繰り返すだけだったのも話を長引かせる一因だったと思う。そして、そういった中でGoalだけを意識したSuggestionはさらに混乱を招いていた気がした。

また、周りは、そのあいまいな全体像に対してTalking Pointを設置したり、Confirmationしていたりしていた。まず、そのTalking Pointが話を収束するGoalにまでいきついておらず、その場の勢いで出したMicroなものであってMacroなものはなかったように思えた。

次に、Confirmationについては1つ1つの話を魔法のようにわかりやすく説明しているのだが、それを周りに理解させ、次の段階に話を進めるには至らず、Summary Confirmationについても同様であったと思う。つまり、テーブル全体として未知なる議論が出てきたときに、その状況判断にかなりの時間を要し、そして、テーブル全体で迷走していたように思う。

全体として、各々のSkillはかなり高いものが随所に発揮され、レベルの高いものだったように思えた。だが、ディスカッションはSkillを見せ合う場所はなく、テーブル全体で何かを作り出し、Conclusionを得る場所であると考えると、形ばかりのMacroをみた議論はあったが、そのときに必要なMicroが詰め切れず、また、それを解決するためのSemi-Macroがほとんどなかったように思えた。そして、今後の鍵はこの点であると思った。

 

2.ランクについて

ランクについては、全員をDランクとした。理由は、@のテーブル内容と被るが、全体として未知なる議論を出したとき、それをProceedするのに必要なLogicが詰められておらず、終始テーブルをConfusionに陥らせてしまった点。また、未知なる議論を出された側は、適切なTreatができず、その理解に終始しており、テーブルを先に進めるというところまで至らなかった点があげられます。また、全体として、出した話に対して引き際が悪く、全体として冗長だった点も挙げられます。

 

文責:北村嘉崇(東大)

 

<廣重>

1.議論の流れ

オピメを務めた木村さんの意見は、「生による償いを求める遺族のために、死刑を廃止すべきだ。死刑囚の反省を促すべく何らかの教育を施す」というものでした。議論の序盤では、「償い」に死刑囚と遺族それぞれの視点からの言葉遣いを定義するなど、プレパの成果あるいは即興性による混乱の回避が行われ、質の高い議論が展開されました。

つづくCauseに関する議論では、佐藤さんにより政府が国民に罰則を適用できる根拠が確認され、さらに後半の議論を期待させました。

NFCに関しては、林さん(明治)より、「遺族のM/Sを癒す手段は他にもあると考えられ、あえて政府が関与すべき問題ではない」という否定意見が出されました。最終的に「NFCは、現状に改善の余地が確認されれば充足する」という定番の流され方をしましたが、個々にもう少し議論の余地があったかも知れません。NFCDirectionと同様な内容を指し示すならば、その主語は政府ですから、「政府が関与すべき問題」か否かは一つの争点となり得ます。現実の世界で人や組織を動かすのは容易なことではないと思います。「我々が動かなければならない」という強い主張は必ずしもロジックに基づかなくてよいでしょう。この点をディスカッションに取り入れられたら楽しいかも知れません。

Mandateにおいて、佐藤さんより次の問題提起がなされました。「このプランを採ると、殺人を犯していない者が殺され、殺人を犯した者が殺されないという状況が生じうる。この矛盾は問題ではないのか」。この意見の理解に時間を要し、議論は終結しました。これは一つの道徳的争点だと考えられますが、それによる実害が不明瞭な分受け入れられがたかった感があります。

 

2.全体の印象

序盤はスムーズな進行の中に後半の議論を感じさせるような前振りが見られ、最高位テーブルにふさわしいレベルの高さを感じました。しかし途中から、問題提起者の意見がなかなか理解されなくなり、それに関するTalking pointConfirmation、種々のチャートが飛び交いながらも前に進まないという状況が起こりました。一人ひとりの意見にはありきたりな議論とはひと味違うものを感じましたが、見慣れない他人の意見なり考え方をどう噛み砕くかという点では各人が独りよがりであった感があります。

 

3.評価について

佐藤さんについては、圧倒的な存在感とテーブルに新しい視点を提供するという視点を高く評価しました。形式論に終始することの多いディスカッション界においてこの視点と姿勢は「特筆すべき」ものだと感じました。一方で、自分の意見を「共有する」という点で、プレゼンテーションに無駄な部分やかみ合わない部分が見られたため、上をテーブルでの一つの「役割」と考えるには不十分だと考えました。

木村さんについては、オピメとしてすべての議論に関与し、「自分の言葉で理解すること」を常に実践していた点を評価しました。その中で、Confirmationには特筆すべき高いスキルが感じられ、これは周囲の理解を助けたと考えます。しかし、特に後半、議論の中心から外れる場面やその全体像を捉え切れていない場面が見られ、自分の仕事を全うしきれなかった感があります。

林さん(明治)については、後半に入っても素早いTalking pointの設置を行い、議論の円滑化に努めました。ただその論点が発言者の趣旨とややずれている感を受けたのと、冷静さを欠いた部分が伺え、結果として議論への貢献度が下がってしまいました。

林さん(早稲田)については、序盤のチャートを用いたConfirmation等にプレパの成果(あるいは即興性)を感じ、好感を持ちました。しかし中盤から理解が追いつかなかった印象を、その発言や姿勢から感じました。

以上の評価はすべて「最高位テーブルへの期待」を基準に述べたもので、参加者4人がいずれも高い思考力とプレゼンスキルを持ち合わせていることに疑念はありませんでした。みなさん、おつかれさまでした。

 

文責:廣重裕太朗(東京大学4年)


4th D+テーブルの総評

担当者:長島(法市)川上(上智)瓶子(東女) 

 今回の春の大セミナーにおける4th時点での最高レベルのテーブルに当たるD+だったが、そのレベル通りの面とあのテーブルだからこそ生まれてしまう、あるいは見過ごされがちな点が並存したテーブルであった。まずディスカッションに臨む前の段階でそれぞれがやりたいことを持っているという簡単そうで難しいことをきちんと満たしているメンバーであった。そのためASQの中でそれぞれが自分のやりたいことに対するアプローチをきちんと自分のビジョンに照らしながらディスカッションの中に落とそうという行動がメンバー全員に見られた。ディスカッションにおける議論はその場で生まれるもののあれば事前に準備するものもあるが、他の人と議論をする上で事前に自分の主張をある程度研磨した状態でディスカッションに臨むことが議論の質を高める上で望ましい。それがきちんとなされていたことはディスカッサントとして大いに評価できる点である。

 ディスカッションの中身に関しては、まず非常にスピード感があった。一つ一つの話の中に多様な論点がある中で各々がすばやく反応し議論を収束させようとする動きは素晴らしかった。また各々の強みをテーブルに供給できていた。自分がテーブルにおいて活躍できる場を見つけ出すことはテーブルとして質の高いディスカッションを実現する上で不可欠であり、レベルの高いテーブルにおいてもそれを完遂することが貢献する上でキーポイントになってくる。それを自分の強みを理解した上で表現することが出来るのは基礎がしっかりしていて多様なディスカッションに対応できる能力を示している。その点に関してはパンツのみんなには自信を持ってほしいし、今後も伸ばしてほしい点である。

 ところがディスカッションの結論としては最終的に非常にもったいない形になってしまったという印象がある。その理由としては一言で言えば柔軟性の不足と丁寧さの不足である。柔軟性に関しては自分が発言する際にゴールは見据えているがアプローチの方法の多様化性が不足している印象を受けた。ディスカッションは一つとしてまったく同じになるということはない。その中で同じようなアプローチをしても伝わる場合、伝わらない場合双方が考えられるわけで同じゴールに到達する上で多様なアプローチの方法が必要になってくる。自分の発言に対するテーブルの反応、周りのリアクションを見た上でそれぞれがテーブルにあった方法を採択する柔軟性がコンスタントにテーブルに貢献するためには必要になってくる。その点においてはこの時期はまだまだ発展途上であり努力しだいでまだまだ伸ばせる点である。今後の課題として認識してほしい。丁寧さの不足に関しては多様な論点がある中で反応速度は素晴らしいが一つ一つの論点の中で何が得られたのか、何が共通見解としてのこったのかというものを過不足のない確認作業でテーブルに供給するというのが不足していた。この点に関しては普段は忘れないようなものであってもスピードが上がったディスカッションや理解が比較的早いメンバーでのディスカッションでは確認なしで前提となってしまいがちなものなので、スピードが上がってきたときにこそ確実にひとつひとつをやっていくことが重要なのだと認識してほしい。

 これは全ディスカッサントに共通のことであるが、感じたこと、学んだこと、結果を受け止めた上でこれからのディスライフを充実させる糧にしてほしいと思う。 

文責:長島大介(法政市ヶ谷4年)



2年カウンター(5th C++)の総評

担当者:岡崎(日大)柴田(日大)前田(明治) 

1.全体的な印象

 2年生の中で、スキルが平均以上満たされており、将来ディスカッション界で活躍してくれる逸材の宝庫であるように感じました。良くも悪くも、レベルの高い2年生たちらしいディスカッションを行っていたと思います。 

2.見たテーブルの印象

 皆パッションを持っており、自分のやりたいことをやろうという意志が感じられました。

 2年カウンターという特殊なテーブルの中、最後まで諦めの姿勢を見せず楽しみながら周囲と協力してディスカッションを作り上げていく点に関しては、周りの手本となるようなディスカッションだったと言っても過言ではないと考えています。

 しかしながら、2年生だけということもあり、コンクルを確認せずに次の話へと進んでしまったため、どんどん話が流れていってしまう印象を受けたり、一発で浸透する発言の少なさからカンファメのかぶせ合いが見受けられたりもしました。

 また、その場の勢いから行われたリーズニングのないサジェッションに周りが同調してしまうなど、乱雑な部分もあり、今後そのような所をいかに改善していくかが成長の鍵となりそうです。 

3.見たテーブルについて、上げ下げ判断の根拠

 今回2年カウンターテーブルでの上げ下げ判断の基準となったものは、「テーブルの中で役割を見つけられたかどうか」でした。

 役割を見つけられたか否かの判断基準に関しては、コンスタントにテーブルに貢献していたか、アーギュメント・ハンドリング・ストラテジーを他人任せではなく自分の力だけで立証できていたかが重要なポイントとなりました。これらは見た目の印象のみではなく、あとから算出した点数にも正確に反映されていました。 

4.メッセージ

 みんなが楽しみながらディスカッションをしていたのが、とても好印象でした。またお互いにコーポレーションし合えていたのが、すばらしかったと思います。これからもその調子で、楽しみ、楽しませられる存在になっていってほしいなと思います。(岡崎)

 とても楽しい2時間30分という時間をありがとう!上げ下げをしてしまったけれども、あのテーブルにいた誰もがものすごいポテンシャルを持っていると肌で感じました。これから色々つらいことも多いかと思いますが、君らならやっていけると思います!是非最高のディス界をあのメンバーだけでなく、新2年生全体で一緒に作り上げていってください。(柴田)

 今回、ジャッジという立場でテーブルを見ていましたが、「もし2年前の私が参加していたら、多分地蔵になっていただろうな」と思ってしまうくらい、質が高く、テンポも速いテーブルでした。今回は残念ながら最終ランクで2年カウンターに残れなかった人たちもいましたが、その場でのパフォーマンスを評価されたものであり、決してスキル面で劣っていたという訳ではありません。この結果に満足がいかなかったなら、これからいくらでもリベンジは可能だと思います。同学年同士で切磋琢磨しあい、素晴らしいディスカッション界を作り上げていって下さい。(前田)

文責:前田(明治4)



5th Dテーブルの総評

担当:田河章宏(成蹊)田辺悠斗(上智) 

1.Table感想

 5thDらしい情熱と、らしくない雰囲気の良さが入り混じった素晴らしいテーブルだったと思います。どんな斬新かつ難解なアイディアもテーブルの一部が理解して勝手に議論が進むのではなく、全員で理解し、かつ必ず解りやすいカンファメーションが見られたことは、僕が思う「理想のディスカッション」に近いものでした。 

2.Dis総評+課題

 ASQにおいての死刑のみではなく、罰そのものに対する「目的」と「意義」に関するアイディアやEviの提示から、日本政府が向かうべき方向は一体どこなのかという、よりリアルな視点から多彩なアイディアを展開、共有できていたことは、さすがはDテーブルであると感じました。そしてどんな議論にも必ず誰かがプロシージャーのサジェスチョン、高質なカンファメを欠かさず行い、テーブル全体の浸透率を高いものにしていたところに、彼らが掲げた「コラボレーション」を感じさせてくれました。

 ジャッジとしても、見ていて非常に楽しいものであり、また、時折まるでテーブルの一員であるかのようにテーブルに集中することができたのは、彼ら一人一人の「求心力」の賜物でしょう。

 ただ、そういった素晴らしいアイディアをASQNFCまでしか進まず、PLANで見られなかったことは少々残念でした。深めたASQからどんなPLANを通してbetter situationに向かうのか。ジャッジとしても個人としても、そこは非常に興味深かったことと、ASQでの議論をより多くPLANに活かしてほしかったという願いから、「残念」という言葉を使用しました。

 このテーブルでは確かに浸透率の高いカンファメーションやプロシージャーが飛び交ってはいたのですが、少々シンプル性、スピード感に欠けていたのではないかと思います。「何を確認できたのか」という点に関しては分かり易かったのですが、「どう確認するか」など、一つのポイントを確認するまでに要した時間が長かったことは、ロングプレゼンなど個々人の課題が見え隠れする部分でもありました。今後はよりシンプルかつ洗練されたアイディアのプレゼン、共有、進行を心がけて、個人としてテーブルとして、より成長していってくれることを願っています。 

3.ランク上げ下げの判断基準+メッセージ

 8人中6人をキープとしましたが、3rd以降のディスカッションで「どれだけ役割を見つけ、それをこなしていたか」を最終的な判断基準としました。8人を見たジャッジに意見、感想を聞き、それに私たちのジャッジを加味して6人と2人の間に差をつけました。

 ただ、ランクの差はついたものの、私たちに見せてくれたコラボレーション、情熱、期待性の大きさは全員同等のものであり、そのどれもが素晴らしかったことは間違いありません。ですから、どうかこれからもそれぞれのディスカッションに自信を持ち続けてください。皆さんの更なる躍進を期待しています。

 本当に素晴らしいディスカッションをありがとうございました。 

文責:田河章宏(成蹊大学4年)



5th D-テーブルの総評

各担当者:長島(法市)内田(上智)小渕(日大)平野(明治) 

<小渕>

1.感想・総評

 上級者のテーブルというだけあって個々の基本的な能力は高いです。疲れが見えながらも全員が積極的に発言していたように思えます。オピメも三年生というだけあって要所はきちんとおさえてあり、役割は果たしていたのでパンツとしても議論しやすかったのではないでしょうか。

 ASQでのストラテは各々が練りに練ってどう活かされるか楽しみになるものもあり、また張る段階においても学年問わず自分の仕事(発言)は自分で終わらせてくれていたので見ていて安心かつ楽しめました。

 ただ、スピーディに話を展開させようとして、話が終わってから必要のないカンファメを結果的に何度も生じさせてしまったり、粗が目立つプロシーディングで訂正に時間を割く場面があったりなど勿体無いところもありました。 

2.課題

 役割分担する、または協調性をもっとだすべき。春セミという場では難しいかもしれませんが、やっぱり人の話はちゃんと最後まで聞きましょう。不快感を抱く人、納得のいっていない人が出てきてしまうハンドリングでは最後には効率の悪い結果になるだけだと思います。

 各自がプレパしてきたネタを十分に活かせるような土台作り、またそれに伴いテーブルを牽引するハンドリング。この2つがあるだけで段違いのディスカッションになっていたと思います。 

3.最後に

 お疲れ様でした。今回は、力量は評価できるがディスカッションにそれが出せているかというところでランクに差が出たのだと思います。特に二年生には驚かされるところが多く、これからの成長に期待しています。三年生も独自のスタイルを見つけ、我が道を進んで欲しいと個人的に思います。 

文責:小渕裕士(日本大学4年)

 

<平野>

1.感想・総評・課題

 お疲れ様でした。春セミという極度の集中力と精神力が求められる場で、5回目のディスカッションは本当に大変だったと思います。役職者が多く、ディスカッションに対する思いが強く、そのプレパにも真っ向から向き合ってきた人達が集まったテーブルでした。そして、そのポテンシャルの高さも感じられました。しかし、周りが高いレベルの中で、いかによいパフォーマンスを出すことができたかどうかでランクをつけさせていただきました。

 このテーブルの内容を大きくわけて3つにわけました。ASQの前半、ストラテが飛び交う中盤、NFCでもつれた後半の3つです。1つめの前半は、終始オピニオンメーカーのコンクルカンファメで話が広がらず、春セミ特有のカンファメのかぶせ合いがなく、スムーズに流れました。2つめのストラテが飛び交う中盤戦では、自分のとりたいコンセをスムーズにとれたかどうかを判断しました。3つめのNFC議論では時間を1時間半もつかってしまい、正直見ている側としては歯がゆい気持ちでいっぱいでした。×NFCを出すのであれば、その必要性とそのゴール(コンパリをしたいのか、ストラテとしてコンパリのcriterionとして使いたいのか)などをテーブルのみんなが共有すれば、あれほどまわりくどい話にはならなかったと思います。また、パンツ側もセオリーで一方的に相手の話を流そうとするだけではなく、セオリーを言っても流れなかったら、相手のゴールや話の必要性を汲み取るといった切り返しが必要だと思いました。そうしない限り、同じ話の繰り返しで水かけ論が終わらず、時間切れとなってしまい、自分の用意したアーギュメントが出せず終わってしまいます。このテーブルを教訓に、話を進めるためにはどんな発言、どんな態度が必要なのかといったことを考えてみてください。 

2.最後に

 今回のテーブルにいた皆さんはこれからチェアパーソンを行ったり、後輩指導を行ったり、これからのディスカッション界をひっぱっていく存在で、またいなくてはいけない存在だと思います。ディスで得た多くのものをこれからたくさんの人に伝えていき、よりよいディスカッション界をつくっていってほしいと思います。このテーブルをジャッジすることができ、とても光栄でした。 

文責:平野歩(明治大学4年)






3.28

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